児童精神科医NINAの休憩室

m3のblogからお引っ越ししました。児童精神科医NINAのblogです。 今は児童も成人も診させていただいている,地方の勤務医です。 日々思ったことを自由に書き留めてみようと思います。 コメント大歓迎! ですが,レスが遅れることがあります。どうぞご了承ください。

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【児童精神科医として思うこと】くだらない心配は不要。

こちらも,ちょっと前に診察室で経験したこと。


不登校を主訴に診察室へ通ってくれている10代後半の男の子。

部活でのトラブルがきっかけでなかなかコンスタントに登校できなくなっているときに診察室でお会いして以来通院してくださっているのですが,どうにも私がお力になれないまま,彼は結局通っていた高校を辞めてしまったのでした…その後の進路を決める前に。


正直なところ,私はそういう展開を避けたかったのです。

だって,高校をやめた後どうするかを決めていなかったら,よほど何かやりたいことがあるとかとっても本人の意思が固いとかでないと,高校という所属場所を失った途端に自宅にひきこもりがちになってしまうかも…という怖さがあって。

せめて転校先のイメージができていたり(たとえば通信制に移ろう,とか),高校を辞めた後はこれに挑戦しよう! といった目標がぼんやりでも見えるまでは元の高校に在籍していたほうがよかったのでは…とちょっと焦り気味な私を尻目に,とても落ち着いているお父さんとこどもさんご本人。


「まぁ,しばらくはゆっくりさせてやろうと思います」とおっしゃるお父さんに,ほかにご提案できるようなよいアイデアもなくただただ同意するしかなかった私…。

本当に,これでいいのかな。
大丈夫なのかな。
ちょっと強引にでも他の高校の情報とかお伝えしたほうがいいのかな。

ひとりでごちゃごちゃと考えながら,結局そのまま何もできずに過ごしていました。


ところが,数ヵ月後。

診察室へ来てくれた彼は,これまでの物静かで内気そうな様子とはずいぶん違って別人のようにハキハキと話をしてくれるではありませんか。


ちょっと驚きながら,前回の診察からの変化をお尋ねしたところ…,

同席してくださっていたお父さんからこんな話を聞かせていただきました。


「じつは私の知人が定食屋を始めたんですが,こいつが高校を辞めたことも知っていたので,よかったらうちでバイトしてみないか? って誘ってくれたんです。嫌がるかと思ったら意外と『やってみる』って乗り気だったんで,早速お世話になってるんですよ」


ほぉ…そうだったんですね。

私が何のお役にも立てずひとりでやきもきしているうちに,彼はもう接客業のアルバイトを始めていたのです。

そして,まだこんなにも短い期間のアルバイト経験にもかかわらず,診察室でも彼の言動のひとつひとつから自信が伝わってくるほどの頼もしい姿…。


こどもさんご本人の秘めた力の凄さを思い知り,そしてご本人の力を信じて見守っていたお父さんの凄さに感服…ひとりでくだらない心配をしていた自分を恥じてしまうできごとでした。

反省しながら,引き続き彼を応援させていただこうと誓ったところです。

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Author:NINA
地元のこどもたちの元気な育ちを,ご家族と一緒に応援させていただきたいと思いながら,日々診療に取り組んでいます。
家に帰れば一児の母。「楽しい子育て」を目標に奮闘中です。
趣味は音楽と写真。ピアノを弾きながらこどもと童謡を歌ったり,デジタル一眼レフを携えてお散歩したりするのが私のリラックスタイムです。

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