児童精神科医NINAの休憩室

m3のblogからお引っ越ししました。児童精神科医NINAのblogです。 今は児童も成人も診させていただいている,地方の勤務医です。 日々思ったことを自由に書き留めてみようと思います。 コメント大歓迎! ですが,レスが遅れることがあります。どうぞご了承ください。

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【がんばっているキミへ】自分の診断名を知ることは,…

本日のつぶやき。


自分の診断名を知ることは,患者さんの自由であり,権利であるかもしれない。
だけど知らせる側としては,知らせることの意味に敏感でありたいのです。


。o○o。+。o○o。+。o○o。+。o○o。+。o○o。+。o○o。+。o○o。+



それほど頻度は高くないのですが,ときどき「診断をつけてほしい」という希望で外来受診する患者さんがいらっしゃいます。

成人のかたで,ご自身で発達障害ではないかと疑っていらっしゃるケース。

書籍やインターネットの情報でたくさん勉強しておられて,「自分は絶対にコレだと思うんです」と資料を持ち込んで力説されるかたもあります。


ただ,多くの場合は診断確定に至らないかたちで私の診察室からお帰りいただくことになるのですけど…。


うまく言えないのですが,診断をお伝えするなら,それがご本人の役に立つように,ご本人にとってメリットがあるように使っていただきたいのです。

だから,診断確定希望の患者さんにはいつもまずこんなふうにお話することにしています。


-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

現時点でのあなたの認知(ものの見かた,とらえかた)の特徴,得意なこと・苦手なことを調べることはできます。

その結果だけでは,発達障害かどうかの診断確定することはできません。

どうしても診断確定したいということであれば,あなたの幼い頃の様子を詳しく知っているひと…たとえばお母さん…に来院いただいて,こどもの頃のお話を詳しく伺う必要があります

。ご家族があなたの小さい頃のことを今もよく覚えていてくださるなら,診断をはっきりさせることができるかもしれません。
ご家族にとってはご面倒なことかもしれませんが,このことに協力していただけそうですか?

それから,これは私の個人的な意見ですが,あなたがその診断名に該当するかどうかがはっきりしても,だからといってその時点から突然お先真っ暗な日々が始まるわけでもなけ

れば,一発逆転ホームランで突然バラ色の日々が始まるわけでもないと思います。診断がわかったところで,診断がわかる前もわかった後も,あなたはあなたのままなのですから。

今のあなたご自身の持ち味を知って,得意なことを活かして苦手なことをカバーたり,得意なことをうまく伸ばしたり,苦手なことで必要以上に苦労しなくて済むような選択をしたりする

ことのほうが診断をはっきりさせることよりもずっと大事だと私は思っています。自分の持ち味を知りたい!と希望されるなら,いくつかの検査を実施できるようなスケジュールを組み

ます。

それでもやっぱりどうしても診断をはっきりさせたいということであれば,ご家族からお話をお聴きする時間も改めて設定しましょう。

どうしましょうか?

-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-


…たいていの場合,診断確定よりも認知検査などご自分の現在の特性を知るにとどめることに落ち着いてくださいます。

どうしても,「レッテル貼りのために診断をつけたくない」というのが私のささやかなこだわりだったりして…もし患者さんご自身が自分にレッテルを貼りたいと望んでいらっしゃるとしても,そこはどうしてもお引き受けしたくないのです。

診断をつけてしまったら,それを取り消すことはできないから。

診断を知ったことで後悔するような結果になってしまったとき,診断名を恨みながら毎日を過ごす患者さんの姿を想像するとつらくなるから。

要するに,診断を知った後でもご自分のことをこれまでと変わらず好きでいていただきたいのです。


…あ,もちろん診断がはっきりすることがご本人にとって利益があると私が思えるときにはきちんとつけさせていただいてますよ♪



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*Comment

うーむ

安心したいのでしょうか。
自分はこれだから、これに沿った治療でよくなるはずって、何かよりどころが欲しいのかもしれませんね。

身体的な症状でも「これ!」って言ってほしがる人、います。
でもウイルス感染症かもって言っただけで、「ロタウイルス感染症って言いましたよね!」って・・・言ってないし、そうだとしても治療法だって変わらないし。
こちらとしては何も変わらないのに、「何かです。」って言ってほしいんだなと思います。

・・・難しいですね。
  • posted by 森戸やすみ
  • URL
  • 2009.11/27 23:37分
  • [Edit]

難しいのです…

コメントありがとうございます。

ウイルス感染などの病名は,こまかいところにどこまでこだわるかは別にしても,診断がつくことが治療に結びつきますよね。

発達障害は,医学的診断でありながら病名ではないところがさらに問題を難しくするのです…。
診断がついたからといって,治療を行うことはできない。
そしてその診断名とは一生付き合わないといけない。

だからこそ,「自分がうまくいかないのは発達障害だからだ」という文脈で,その診断名を恨むようなかたちで受け取ってほしくないのです。

患者さんが知りたいと望んでいるのに伝えないようにするなんて医者のエゴだ!と言われたらそのとおりなのかもしれませんが…本当に難しい問題だと思います。私自身,もっと突きつめて考えていきたい問題です。
  • posted by NINA
  • URL
  • 2009.11/28 01:02分
  • [Edit]

いろんな人がいるんですねぇ~。

最近は、成人のうつ病がよく取り沙汰されていますが、
こういうタイプのオトナの方もいるんですね。
森戸さんも言ってみえるように、安心したいっていうのが一番なのかも。
専門の先生が言ってくれたんだから、自分は大丈夫って。
それほど、自分に自信が持てないってどういうことなんだろ?
う~ん、わからなくもないけど・・・やっぱりちょっと・・・ですねぇ~。
でも、そんなケースでもきっとNINAさんはやさしく安心を与えるようにお話されるんでしょうね。
それで、納得して帰って行かれるんならそれも、またよしでしょうか・・・。
  • posted by powaro
  • URL
  • 2009.11/28 12:07分
  • [Edit]

難しいんです…

コメントありがとうございます。本当に難しいんです。

診断を知って安心できたり状態がよくなるのなら喜んでお伝えするのですが,診断がつくことで余計に苦しい思いをするのなら知らせずにおいてあげたい。

現状では,がんばってこちらの思いをお伝えするようにしています。うまく伝わればラッキー!と思いながら。
  • posted by NINA
  • URL
  • 2009.11/29 00:14分
  • [Edit]

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Author:NINA
地元のこどもたちの元気な育ちを,ご家族と一緒に応援させていただきたいと思いながら,日々診療に取り組んでいます。
家に帰れば一児の母。「楽しい子育て」を目標に奮闘中です。
趣味は音楽と写真。ピアノを弾きながらこどもと童謡を歌ったり,デジタル一眼レフを携えてお散歩したりするのが私のリラックスタイムです。

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