児童精神科医NINAの休憩室

m3のblogからお引っ越ししました。児童精神科医NINAのblogです。 今は児童も成人も診させていただいている,地方の勤務医です。 日々思ったことを自由に書き留めてみようと思います。 コメント大歓迎! ですが,レスが遅れることがあります。どうぞご了承ください。

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【お父さん,お母さんへ】 ちょっと多めでも,ちょっと少なめでも,…

本日のつぶやき。


ちょっと多めでも,ちょっと少なめでも,そんな細かいことは別にいいじゃない。
食べる喜びを感じたり,食べることを楽しめたりすることがいちばん大切♪


。o○o。+。o○o。+。o○o。+。o○o。+。o○o。+。o○o。+。o○o。+



いつも外来に通ってきてくれる摂食障害の女の子。今日はちょっと元気がなさそうでした。

いろいろお話をお聞きしてみたけれど,全体としてはずいぶん食行動は落ち着いてきているし,体重だってちゃんと保てています。

よくがんばれてるし,いい調子を保ててるじゃない? とお伝えしたら,こんな答えが返ってきました。

「いつまでたっても完璧によくならないし…たまにちょっとお菓子とか多めに食べちゃって,自分でもあーあ…って落ち込んでたら,お母さんにも『いい加減きちんと治さないとね』って怒られるし,すごく焦ってまた落ち込んじゃって」

うんうん,なるほど。


彼女の食べるお菓子の量,じつはそれほど多いわけではないのです,お年頃の女の子がたまにそれくらいお菓子食べたって全然変じゃないよ,っていう量。

だから,そもそも落ち込む必要なんてないのに,摂食障害という病気に落ち込まされているんですよね。

そして,お菓子が食べたくなるときって,やっぱりちょっと心が弱ってたりしんどかったりして,元気を取り戻したいときだったりします。

そんなときにはお母さんの励ましの言葉「きちんと治さないとね!」も必要以上につらく心に響きやすいもの。まるで責められてしまったかのように受け止めて,さらにつらい気持ちになってしまいます,

ちょっとお菓子を多めに食べただけのことで,こんなにも簡単に悪循環のサイクルが形成されてしまうんですね。


なので,お母さんにちょっとしたお願いをしました。


お菓子を多めに食べているときは,あんなにも何も食べられない拒食状態だった彼女が自分を元気にしようと甘いものを楽しんでいる,大切な時間。

だからそういうときはすかさず「おいしそうなの食べてるね♪」「あれほど食べられなくなっていたあなたが,こんなふうに甘いものまで楽しく食べられるようになってよかったね!」「おすすめのお菓子があったら,ぜひ母さんにも教えてね?」って,お菓子を食べられるようになったことを一緒に喜んだり楽しんだりしてあげてくださいね…と。

するとお母さんも「たしかにそう言われたら,あんなに食べなくてガリガリになって生きるか死ぬかを心配していたときのことを思い出しました…今こんなに積極的にお菓子を食べられるようになったこの子のこと,『よくぞがんばってここまで元気になったね』ってもっと褒めてやってもいいかも,って改めて思いました」と言ってくださいました。


摂食障害は,本当に不思議な病気。

本人も家族も,「正しい食べかた」「おかしくない食生活」に縛られたり振り回されたりして,食べること本来の嬉しさや楽しさを忘れさせられてしまいがちなんですよね。

ご家族で上手に力を合わせて,楽しんで食べられる毎日を取り戻して要っていただきたいなぁ,って思います。


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*Comment

不思議ですね

私が高校生の時に「チェリーは食べるのが怖い」という本を読みました。
なんて不思議な病気だ!と思って精神科医になることを一時はだいぶ考えていました。
梅が丘病院に研修で行った時に「こういうことを毎日、仕事としてやるのは向いていない。」と思って小児科医になりました。
こんなによくある病気になっちゃったのも不思議ですね。
この方の場合も母子関係が関係あるんですか?
  • posted by 森戸やすみ
  • URL
  • 2010.01/16 13:26分
  • [Edit]

> 森戸やすみさん

本当に不思議な病気ですよね…私は医学部を目指した時点でほぼ100%精神科医になるつもりでいましたが,研修医1年目で中学生の拒食症の女の子を担当してから一気にこどもの患者さんへの興味が高まったのを覚えています。
症状の不思議さという意味でも,回復のめざましさという意味でもとてもインパクトがありました。
森戸さん,梅ヶ丘へ研修に行かれたんですね…うらやましいですっ☆

摂食障害って,母子関係の問題と結びつけられることが多いのですけど,あんまり関係ないんじゃないかな…と私自身は思っています。どうしても食事を作るのがお母さんの役目ということが多いので,食事を食べないことや文句を言うことがお母さんへの拒否のようにお母さんも周りも感じてしまいがちですけどね。そういう意味で,お母さんが苦しめられる病気とは言えるかも知れません。
  • posted by NINA
  • URL
  • 2010.01/16 23:29分
  • [Edit]

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Author:NINA
地元のこどもたちの元気な育ちを,ご家族と一緒に応援させていただきたいと思いながら,日々診療に取り組んでいます。
家に帰れば一児の母。「楽しい子育て」を目標に奮闘中です。
趣味は音楽と写真。ピアノを弾きながらこどもと童謡を歌ったり,デジタル一眼レフを携えてお散歩したりするのが私のリラックスタイムです。

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