児童精神科医NINAの休憩室

m3のblogからお引っ越ししました。児童精神科医NINAのblogです。 今は児童も成人も診させていただいている,地方の勤務医です。 日々思ったことを自由に書き留めてみようと思います。 コメント大歓迎! ですが,レスが遅れることがあります。どうぞご了承ください。

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【自閉症スペクトラム】お母さんのステキな工夫。

今日も,先日あった嬉しい話を書いてみたいと思います。


一緒に診察室に来てくださった青年期の患者さんとお母さん。

患者さんご本人のほうが「自分は何かがまわりのひととは違うと思っていた」と診断を求めて来てくださいました。なるほど,今困っている状況などをお聞きしていると自閉症スペクトラムの特性がちらほら見受けられるようです。
でも,お母さんにはそこまで受診の必要性がピンときていなかったご様子で,「精神科へ行ってみたいと言うから,連れてきてみたんですけどね」とちょっと苦笑い。


初診からしばらくして,お母さんだけとお会いしながら生育歴などを教えていただいていたときのこと。

「まぁ,正直言うとちょっと変わった子かなという思いはあったんですよ」とお母さんの視点からさまざまなエピソードを語ってくださいました。

「すごく素直というか真面目というか,適当に済ませられないというか。普段着のTシャツとか短パンとか,私なんか別にどれでもいいじゃないって思うんだけど,お店に行ってもなかなか決められなかったりして。ほっといたら1時間でも悩み続けます。あれでもない,これでもない…って本当にキリがなくて」とお母さん。

それって,お忙しいお母さんの立場からするととても困ることなのでは?
そう思ってお尋ねすると,ちょっと意外な答えが返ってきました。

「でも,せっかく買うなら妥協したくないというか,“理想の1着”を見つけたいんだろうな,っていうのはわかるんです。だから,時間があるときは好きなだけゆっくり選ばせるようにしてます。で,時間がないとわかっているときは前もって本人に『今日は30分しかこのお店にいられないから,もしも30分で気に入ったのがあればそれを買おう。もしもいいのが見つからなければ今日は買うのをやめようね』って伝えておくんです。そうしたら時間いっぱい悩んで,結局買うのがなかったとしてもあっさり諦めて帰りますね」と。


…お母さん,その方法はご本人にとっていちばん受け容れやすくて嬉しいやりかただと思いますよ,きっと。

お母さんがご本人さんの思いを汲み取りつつ,そのときの状況なんかとうまくすり合わせてお互いの妥協できそうなポイントを設定して,しかもそれを前もって提示するという方法を上手に実行してこられたからこそ,お母さんから見たこどもさんは「扱いづらい,難しい子」にはならなかったし,こどもさんもお母さんに認めてもらえている感覚がもてていたからこれまで大きな不適応を起こしたり深い傷つき体験を負ったりせずに過ごしてこられたのでしょうね。そんな工夫を日常生活のなかでごく自然にさらっとやってこられたお母さんの存在が,これまで本人にとってどれほどありがたい存在だったことでしょう!

お話を伺って考えられる診断やその意味などをお母さんにご説明しながら,そんな話をさせていただきました。


青年期まで未診断のままだったアスペルガー症候群などの広汎性発達障害圈の患者さんとお会いするとき,いつも思います。

ご家族だけでも,そのなかのたとえおひとり(お母さんとかお父さんとか)だけでも,この子のことを肯定的に見てくれていたりこの子のよさを認めてくれていたりすることがどれほどその患者さんを心強くさせ自尊心を保たせてくれるのか,ということを。

ご家族のみんながみんなこのお母さんのように自然にうまく工夫はできないもの。
というよりむしろそちらのほうがあたりまえだろうと私は思っているので,ご家族にご本人の特性を伝えながら,ご家族にもご本人にも負担が少なくお互いにストレスの掛かりにくい日常生活上の工夫の仕方を私からお伝えすることができたら嬉しいな,と思います。
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*Comment

こんにちは。

はじめまして。質問があって、コメントさせてもらいます。
私の働く職場に発達障害?ではないかな?と勝手に思っている後輩がいます。
正直、発達障害の知識もないですし、もし違ってたら失礼なことなのか、それはわかりませんが、後輩が入社してから2年、不思議に思うことがいくつもあります。
他の子なら2ヶ月あればできる技術を1年半かかっていたり、話を目があってしていても答えがなかったり、すぐ忘れるし、何より出勤時間が週に1度1時間遅い曜日があるのですが他の曜日に間違えて1時間遅く出勤してきたり、ちょっとしゃくにさわるような事をフツウに言います。それ、言ったら反感買うんじゃないの?というようなことです。なのでみんながだんだん後輩とギクシャクしています。
でも、「病院に行ってみたら??」とは言いずらいですし、どうしていいのかわかりません。
私の考えすぎでしょうか?
長々とすみません。。。
  • posted by まみ
  • URL
  • 2009.07/12 02:01分
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Author:NINA
地元のこどもたちの元気な育ちを,ご家族と一緒に応援させていただきたいと思いながら,日々診療に取り組んでいます。
家に帰れば一児の母。「楽しい子育て」を目標に奮闘中です。
趣味は音楽と写真。ピアノを弾きながらこどもと童謡を歌ったり,デジタル一眼レフを携えてお散歩したりするのが私のリラックスタイムです。

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