児童精神科医NINAの休憩室

m3のblogからお引っ越ししました。児童精神科医NINAのblogです。 今は児童も成人も診させていただいている,地方の勤務医です。 日々思ったことを自由に書き留めてみようと思います。 コメント大歓迎! ですが,レスが遅れることがあります。どうぞご了承ください。

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【自閉症スペクトラム】心強い告知・前編

今日もまた,最近嬉しかったことを書いてみようと思います。


ちょっと前から診させていただいている患者さん。
大学に通っているとき調子を崩して,親元に戻って自宅療養していましたが,お父さんが知人から「息子さんはもしかしてアスペルガー症候群じゃないの?」と言われて,不安になってこどもさんご本人を連れて受診してくださったのです。

ご本人の認知機能検査と併せて,生育歴も詳しくお聞きしたいのですが…とお願いしたら,お母さんも快く診察室へ訪れてくださって。

ご両親揃って,小さい頃はあんなだった,こんなことがあった,とたくさん話してくださいました。


生育歴を伺っただけで,ご本人が自閉症スペクトラム特性をもっておられることは明らか。

ちょっと気が早いかもしれないけれど,まずはご両親に自閉症スペクトラムというものについて知っていただきたくて…と前置きしてから,ご両親に対して私がお伝えしたいことをその場でご説明させていただきました。

アスペルガー症候群じゃないの?って言われて,うちの子はそんなんじゃないって反発したり否定したりする気持ちがあったけど,今日こうして自閉症スペクトラムアスペルガー症候群について説明を聞いたら,あぁこういうふうにとらえたらいいんだな,というのがわかってスッキリした感じです」とお父さん。お母さんも「自分のなかでちゃんと受け容れるにはまだ時間が掛かるかもしれないけど,入口の部分はクリアできた気がします」と言ってくださって。

「ご本人の認知機能検査の結果が揃ってから私のほうからご本人にも改めて説明させていただくつもりですけど,それでいいですか?」とお尋ねしたら,「あの子には診断名としては伝えないつもりだったけど,今日説明を受けたようなかたちでなら私から本人に言えそうな気がする。まずは家族のなかで一度話してみて,『また疑問が残るようなら次回先生から詳しく聞きなさい』って伝えてみますけどいいですか?」とお父さん。

お父さんが,いやお父さんに限らず患者さんのご家族がそこまで積極的になってくださるケースは本当にとてもとても珍しいこと。
なので,このケースではお父さんのご判断におまかせしてみることとしました。


診断告知をするのは,とても責任重大だと思うのです。
なにしろ,相手に初めて診断について説明をする役割…自分が伝えた診断を相手はどんなふうに受け止めるのだろうと考えると,その診断がつく自分の未来について希望がもてなくなるような言いかたは絶対にしたくないし,かといっていい加減で楽観的すぎてこれからの生活に役立たないような説明もしたくない。

だからこそ,この部分は医師がきちんと責任をもってお引き受けしなくてはいけないとも思っています。
それは医師という立場なら何を言ってもいいということではなくて,患者さんにとってメリットがあるように,患者さんを苦しめるだけにはならないように,その状態だけでなく支援や治療的な部分についても正しい知識をきちんと説明するのが責務だということ。

でも,同じように患者さんのことを親身になって考えながら,「お前にはこれこれこういう特徴があるみたいで,それは診断名としては○○ということになるらしいけれど,これからこんなところに気をつけたりこの部分をこういうふうにしていけばきっとうまくいくよ。できるだけのことは協力したいと思っているから,一緒に取り組んでみよう」って親御さんがご本人に伝えてくださるなら,それは医師の診断告知よりもご本人にとってずっと安心できる心強いことばとなるかもしれません。


ご自分の得意なところも苦手なところも知っておいてほしいし,困難に対していろいろなやりかたで対処できることも知っておいてほしいけれど,「自分はひとりぼっちではない」「頼れる存在が自分にはいるんだ」と実感していただくこともとっても大事なことだと思います。
だからこそ,お父さんのご判断を尊重したいという気持ちもあったのです…。


後日に続きます。
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Author:NINA
地元のこどもたちの元気な育ちを,ご家族と一緒に応援させていただきたいと思いながら,日々診療に取り組んでいます。
家に帰れば一児の母。「楽しい子育て」を目標に奮闘中です。
趣味は音楽と写真。ピアノを弾きながらこどもと童謡を歌ったり,デジタル一眼レフを携えてお散歩したりするのが私のリラックスタイムです。

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