児童精神科医NINAの休憩室

m3のblogからお引っ越ししました。児童精神科医NINAのblogです。 今は児童も成人も診させていただいている,地方の勤務医です。 日々思ったことを自由に書き留めてみようと思います。 コメント大歓迎! ですが,レスが遅れることがあります。どうぞご了承ください。

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【児童精神科医として思うこと】「こどもは診ません」という一般精神科医の先生方。

私が児童精神科医として働くようになってから,ずーっと思っていることがあります。


…どうして,一般精神科医の先生方は,「こどもは診ません」って言っちゃうんだろう?


すでに国内外の研究でも明らかにされていることですが,じつは成人してから精神疾患を発症する患者さんの多くは10代半ばまでにかなりの確率で何らかの精神症状を呈しているのです。


もしも15歳(高1くらい)で何らかの症状が出たとして,その時点で精神科や心療内科を受診するのはひょっとしたらまだ敷居が高いことかもしれません。

親御さんに自分の症状や悩みについて打ち明けられるかどうか,というのがまず最初のハードル。…家族関係があまりうまくいっていないことがストレスとなっている場合もあるでしょうし。

そして親御さんがこどもさんの話を聞くことができたとして,「じゃあ精神科へ行ってみよう」と思ってくださるか,というのがふたつめのハードル。…そりゃ親御さんだって,我が子を進んで「精神科の患者」にしたいとは思っていらっしゃらないでしょうし,そんな親御さんのなかでの抵抗や葛藤があった末に「そんなことで病院なんて頼らないで,気力で乗り越えなさい」なんて話になってしまったら,受診には至りませんよね。

親御さんに症状を打ち明けられなかった場合や,親御さんに受診に反対された場合に,じゃあ高1のこどもさんがひとりで精神科の門を叩くかというと,これもまたなかなかなさそうな話。私自身の経験では,精神科医として勤務しているこの10数年間にたった一度だけ中3のこどもさんがひとりで診察室へ来てくださったことがあったと記憶しています。


そんなこんなで,ようやくこどもさんと親御さんが揃って精神科受診を決意してくださったとして。

いざ受診してみると,医師はなんだか当惑気味。


それでも思い切って症状や心配事をいろいろ話してみたら…,

「うちではちょっと思春期の問題は扱えないんですよね?」

なんて言われてしまったりするケースも(少なくとも私の住む地域では)よくあるのだそう。

それで,その医師への受診はたった1回だけで,すぐに地域の児童精神科医へ紹介されてしまったりして。


児童精神科医の外来は予約がパンク状態なので,その紹介から実際に受診するまでに数ヵ月かかったりすることもあるわけで,その間こどもさんのつらさは続くことになりますよね。


でも,すぐに児童精神科を紹介されるのはまだマシなケースなのかもしれません。

なかには,こどもさんの話の内容がどうあれ「思春期発症=統合失調症」という診断で,初日に親御さんもこどもさんも診断告知され,処方薬もどんどん増えていく…といったこともあるようなので(泣)。

その日からその子の人生変わっちゃうじゃないの,と思わず憤りを覚えます。



…書いていたら怒りが湧いてきたので,また明日に続きます。
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*Comment

はじめまして

精神科に通うものです。不調がでてから3年弱親にも気づかれないよう頑張っていましたがとうとう生活に支障がでて、学校の先生が対処してくださって、さまざまな病院に行きました。
こども病院では「この年齢ではあまりみない疾患だからみれない。」といわれ、精神科医には「20歳以下だからあまり薬出したくないな。どうしようね。」といわれたり。。
小児科領域に入るかぎりぎりの年齢の為どこにいればいいの?状態でした。
やはり、専門性も大事ですがどのお医者様にもある程度見ていただけるようになったらありがたいです!
長々失礼しました!
  • posted by rinrin
  • URL
  • 2009.07/28 22:15分
  • [Edit]

コメントありがとうございます。

rinrinさん,こめんとありがとうございます。

たしかに,思春期後半あたりになると,児童専門の医師たちからも成人専門の医師たちからも「私は専門じゃないから…」と言われてしまいがちですよね。じゃあどこへ行けばいいの?と思ってしまうお気持ち,よくわかります。
専門性を高めて高度な医療を提供したいという思いも大切だと思いますが,患者さんの居場所をなくして居心地の悪さを感じさせてしまうような伝えかたはやっぱりあんまりよくないんじゃないのかな…と思ってしまいます。私自身も気をつけなくては!

まぁ「20歳以下だからあまり薬は出したくない」というのは,薬物療法以外のアプローチを中心にしたいという先生の意思表示だと思うので,専門外だとおっしゃったのとは少し意味合いが違うかもしれませんね。

いずれにせよ,いい先生といい治療関係を作ることができるようお祈りしています! またこちらにも遊びにいらしてくださいね♪
  • posted by NINA
  • URL
  • 2009.07/29 01:08分
  • [Edit]

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Author:NINA
地元のこどもたちの元気な育ちを,ご家族と一緒に応援させていただきたいと思いながら,日々診療に取り組んでいます。
家に帰れば一児の母。「楽しい子育て」を目標に奮闘中です。
趣味は音楽と写真。ピアノを弾きながらこどもと童謡を歌ったり,デジタル一眼レフを携えてお散歩したりするのが私のリラックスタイムです。

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