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児童精神科医NINAの休憩室

m3のblogからお引っ越ししました。児童精神科医NINAのblogです。 今は児童も成人も診させていただいている,地方の勤務医です。 日々思ったことを自由に書き留めてみようと思います。 コメント大歓迎! ですが,レスが遅れることがあります。どうぞご了承ください。

【こどもの育ちを支えるあなたへ】 身近だからこそ,遠慮のないことばも…


本日のつぶやき。

身近だからこそ,遠慮のないことばも出るのが家族
でも本当は,なんとか味方になりたいという思いの裏返しかもね♪


。o○o。+。o○o。+。o○o。+。o○o。+。o○o。+。o○o。+。o○o。+



最近,「家族の発するネガティブメッセージ」にとても関心が向いています。

何故だかわからないのですが,お父さんの発する否定的なことばに傷ついたり反発したりしているこどもさんが立て続けに診察室に来てくれていて。


「ずいぶん過食もコントロールできるようになったのに,私が台所にお菓子を取りに行くたびに『お前また食べるんか,ちっとも治ってないな』って必ず言われる」という過食症の女の子。

「『お前が学校に行かないせいで,俺の頭がおかしくなりそうなんだよ!』と怒鳴られた」と診察室で泣いてしまった不登校の女の子。

「部活も続けられないようなヤツは,どうせ社会に出てもロクな人間になれない。人生の敗北者だ!」と保護者印を押した退部届を投げつけられた頃からチックが始まったという男の子。


どのケースも,こどもさんとお母さんは診察室を訪れてくれるのですが,お父さんには来ていただけていません。


自分が苦しいなかでがんばっているときに,お父さんにこんな言葉を掛けられたら本当につらいだろうな,と思うのですが…。

それでも,お母さんとこどもさんのお話をいろいろお聞きしていると,少しずつ私の中にまだお会いしたことのないお父さん像が浮かび上がってきます。


こどもさんのことが心配でたまらなくて,でも表現の仕方が不器用お父さん

お父さん自身と同じ失敗や後悔をさせたくなくて,なんとか発破をかけたいと思っているお父さん。

こどもさんのがんばりはわかっているのに,父親らしく強い言葉を掛けないといけないと思い込んでいるお父さん。


そんなお父さんの姿が見えたら,こどもさんやお母さんと一緒に,「表現は下手だけど,こどものことを思っているお父さん」の証拠探しを進めていけることがあって。

たったそれだけのことで,こどもさんが,そしてお母さんも元気になれたりする…。


家族って本当に不思議だな,と思います。

もっともっと,家族のちからを大切にして診療していきたいなぁ…。



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*Comment

NoTitle

挙げられている例を見る限り、「遠慮のない(正しい)言葉」ではなく「言われなき誹謗・中傷」だと思います。
言語表現が下手でも診察に同行はできます。
「表現」のうまいへたではなく、現状を認識できない・しないのだと思います。
こういう父親を主治医までもがかばったら、患者はたまりません。

> にゃんさん

本当に、文脈抜きでお父さんの言葉だけを見るとなんてキツいことを…と思うのですが、こどもさんとお母さんと診察室で一緒にお話ししていると、「そうは言ってもやっぱりお父さんは気に掛けてくれてると思う」なんてことをお母さんやこどもさんの方から言ってくれるのでビックリします。
お父さんの味方を私がしているというよりも、本当は心配でたまらないお父さんの姿をご家族が教えてくださるのです。
私自身には、会ったこともないお父さんに無責任に味方することも、逆に非難することもできませんから…。
  • posted by NINA
  • URL
  • 2010.09/14 19:59分
  • [Edit]

NoTitle

その場にいない、会ったこともない人について、たしかに医師はなんとも言えませんね。

ただ、発言内容の事実誤認については触れることができるのではないでしょうか?
発言者の人格と発言内容を切り離して・・・。
「キツイ」発言でも正しければともかく、間違っているのが問題かと。

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Author:NINA
地元のこどもたちの元気な育ちを,ご家族と一緒に応援させていただきたいと思いながら,日々診療に取り組んでいます。
家に帰れば一児の母。「楽しい子育て」を目標に奮闘中です。
趣味は音楽と写真。ピアノを弾きながらこどもと童謡を歌ったり,デジタル一眼レフを携えてお散歩したりするのが私のリラックスタイムです。

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