児童精神科医NINAの休憩室

m3のblogからお引っ越ししました。児童精神科医NINAのblogです。 今は児童も成人も診させていただいている,地方の勤務医です。 日々思ったことを自由に書き留めてみようと思います。 コメント大歓迎! ですが,レスが遅れることがあります。どうぞご了承ください。

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【児童精神科医として思うこと】受診しても役に立たない…?

ずいぶん長くまともな更新をサボってしまいましたが,ネット環境もようやく落ち着き,また記事を書くことができそうです。


今日はまた最近お会いした,ひきこもりの患者さんのおはなし。

10代後半の彼。
学校には行っていないし,家族以外のひとと話をする機会は本当に乏しい毎日だったと思うのですが,実際診察室に来てくれて話をしてみると,とても丁寧にことばを選びながら誠実に自分の思いを伝えようとしてくれているんだなぁ,ということが伝わってきます。とてもあたまのよい子なんだろうなぁ…。


それにしても,ひきこもっている状態から外へ出るのにはとても勇気が要るはず。

それもよりによって,行き先が精神科医の診察室だとしたら。

でも彼は,自分から親御さんに「精神科を受診したい」と希望を伝えたのだそうです。


「本当に思い切ってよく来てくれたよね。よくぞこのタイミングで自分から『精神科に行ってみよう』って思ってくれたね?」

そう尋ねた私に,彼はこう答えました。

「こんなこと先生の目の前で言ったら悪いんですけど,精神科なんて受診しても役に立たないと思ってて…でも,自分でもこのままじゃいけないとはもう何年も前からずっと思っていたし,自力ではちょっとどうにもならない気がしてきたから…」


…ずしりと重く響くことばでした。


たとえこどもさん自身が自発的受診しようと思ってくれたとしても,こんなにも不安な気持ちで来てくださっているんだということ。

すごく行きたくて来てくれているわけじゃない,来たくはなかったけどほかにどうしようもなくて仕方なく受診してくださってる場合もあるんだということ。


考えてみれば,そんなのあたりまえのこと。

だけど,日常の臨床のなかでふと忘れてしまいがちなことかも知れません。


心もとない思いで,それでも勇気を出して受診してくれた彼らの思いを無駄にしないために,私にできることは精いっぱい提供したい。

「行きたいところじゃなかったけど,振り返ってみればあのとき思い切って受診してみてよかったな」と思っていただけるような診療をしたい。


診察室での出会いは,ほんとうにひとつひとつ大切にしていかないといけないんだな,と改めて思わされたできごとです。
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Author:NINA
地元のこどもたちの元気な育ちを,ご家族と一緒に応援させていただきたいと思いながら,日々診療に取り組んでいます。
家に帰れば一児の母。「楽しい子育て」を目標に奮闘中です。
趣味は音楽と写真。ピアノを弾きながらこどもと童謡を歌ったり,デジタル一眼レフを携えてお散歩したりするのが私のリラックスタイムです。

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